アナログフィッシュ@吉祥寺前進座劇場
本日は遅刻せず。ど真ん中2列目という好位置で鑑賞。
花道からメンバー登場。健太郎の動きのおかしさは、最早わざわざ書くまでもないのだが一応書いておこう。何あのテンション。
下岡が「真っ暗な夜 真っ赤なバイク ナイトライダー」と呟いてから「ナイトライダー」でスタート。その一言が何だか芝居がかっているように見えたのは、この場所が劇場だったからなのだろうか?セットも無くシンプルな、ある種冷たささえ感じさせるステージに「ナイトライダー」は凄くハマっていた。
僕の席からはドラムセットがよく見えて、この日は気がつけばドラムに釘付けになっていることが多かった。キャラもルックスもホントに大嫌いなのに、あのドラムは一音たりとて聞き逃したくないし、叩くその姿も非常にカッコよくて見とれてしまう。ああ、何か悔しい。「バタフライ」「LOW」とドラムが映える曲が続く。
「ガールフレンド」でサポート登場。前日聴けなかった曲なのでキーボードがどんな風に入るのか期待していたのだけど、場所のせいかキーボードの音が余り聴こえず。残念。
「静かな曲が続くので座ってみては」と促す下岡。ハーメルン、月の花、僕ったら。ハーメルン、本日はヴィブラスラップ無し。個人的には暖房が利いていたせいか、ちょっと眠気が…
しかし新曲「パラドックス」が始まって、シャキっと目が覚める。マーチングドラムにファンファーレのようなシンセのフレーズ。「シンセを入れてやりたかったから、ここまで暖めていた」と下岡は言っていた。バンドの演奏とコーラスに押し出されるように向かってくる下岡のボーカル。これはまた凄い曲が出てきたな、と思った。今日も“ストレンジなフィーリング”というフレーズが頭に残る。途中のキメでTHE WHOの「無法の世界」を思い出す。ブレイクの絶妙なタイミング。
「Living in the City」は、今日の方がイキイキとしていて良かった。「LIFE GOES ON」の歌い出しに「街」というフレーズがあるのに気付いてニヤリとする。下岡の名曲はいつも街から生まれる。そのまま「さよなら90's」へ。皆さんにとっていい年になりますように、という下岡の言葉。途中で叫ばれる「Hope!」という言葉。ロビーに貼ってあった書き初めにもそのフレーズは書かれていた。
本日もHelloのイントロで健太郎が花道へ。今日は花道の先にマイクが置いてあり、そこで少しだけ歌う。そしてふと気づけばステージの方では下岡がハンドマイクで「ハローハローこちらはアナログフィッシュです」「ハロー東京、ハロー北京、ハロー…」と都市の名前を連呼したり、何だかものすごく自由に喋っていた。どうしたんだ一体(笑)。この日一番面白かった場面。
前日は一回だけだったアンコールが、本日は2回。最後は「夕暮れ」。このハコによく似合っていたと思う。
【セットリスト】
「パラドックス」の“ストレンジなフィーリング”というフレーズが妙に頭に残ったのは、アナログフィッシュがストレンジなバンドであるからに他ならない。アナログフィッシュは奇妙である。わかりやすく言うと、とても「変」なバンドだ。ドラムの斉藤のルックスはモーサム武井に勝るとも劣らないクレイジーさを醸し出し、下岡の「片方だけ耳を出す」ニットキャップの被り方も変だ。健太郎に至っては、変な点を挙げ始めるとキリがない。
もちろんルックスだけじゃなく、出す音も一筋縄ではいかない捻くれたオルタナティブな音。しかし、世間的には「ちょっと気の利いたポップな曲を歌うツインボーカルのバンド」くらいにしか思われていないんじゃないだろうか。この状況が俺には歯痒くて仕方ない。
とはいえ「変なバンド」なんて世の中には幾らでもいて。その中でアナログフィッシュが特に凄いと思えるのは「変なバンドなのに、メロディーはエバーグリーンなポップス」という点。もちろんこれもアナログフィッシュの全てではなく、ほんの一部なんだけど、何かこういったポイントが少しでも多くの人に伝わればいいのにといつも思う。