箱庭の室内楽presents「幾何学的カーニバル」@秋葉原GOODMAN

タラチネ

ライブ見たのいつ以来だろう。CDが出てからは初かな。

相変わらず永田くんの一挙手一投足に目を奪われるのは勿論だけど、他のメンバーも良い。突然もの凄くぶっといギターの音が入ってきたり、ドラムの人がふと気がつけばサックスを吹いていたり(「俺はこんなもんじゃない」のサックスもやっているらしい)。そして圧巻なのは、メンバーそれぞれが色んな方向に向けて音を出している中で、一人完璧にナルシスティックな空間を作って歌い上げる桑原くん。いやー、凄い。あんなアバンギャルドな音の中で、あそこまで自分のスペースをがっちり作れるボーカリストは居ないですよ。その桑原くんも最後にはステージに背を向けて、メンバーを鼓舞するんだけど。はははは。面白すぎる。

永田くんのピアニカがエモーショナルだ、ということは今まで何度も書いているけどそれ以外の動きがとにかく素晴らしい。無駄なんですよね(笑)。その辺に置いてあるスティックとか楽器とか、ぽろぽろ落として、絶対に無駄なノイズが出てる。でもそれら一個一個も実は音なんじゃないかって。永田サウンド。永田が動けば音が鳴る。ただひたすらに凄い。最後、フロアで三角飛びしてたからね(笑)。そんな人初めて見たよ、俺。

【セットリスト】

  1. Swimming
  2. ポンペイ
  3. 愛の花
  4. MELLOW GOLD
  5. ワルツ

石橋英子

上手い。まず思ったのはこれ。ドラム:オータコージ(曽我部恵一BAND)、ベース:赤坂みちる(ex.界)、コーラス:アチコ(ex.on button down)ホーン隊はNATSUMEN、とさすがの錚々たるメンツだけあって、とにかくレベルが高い。タラチネとの落差が凄い(笑)。

ただ、上手すぎて面白みに欠ける、なんて思ってしまった。単純に、タラチネの方が見てて楽しかったかな。それは永田くんという存在の有無だけじゃなくて(笑)、出してる音もね、タラチネの不完全さの方が個人的には惹かれるものがあった。あと、タラチネは曲がポップなんですよ。石橋さんはカッコ良すぎた。

あと、更に個人的な勘違いなんですけど「石橋英子&アチコ」かと思ってたら、この日は石橋さんソロ名義だったのね。や、俺「いつアチコさん歌うんだろうなあ」って思いながら見てたから(笑)そこで若干の肩透かしがあったのは事実であります。勝手に。

トルネード竜巻

前2つと比べると、非常に真っ当なフォーマットのポップバンド。普段だったら薄味に感じてスーっと通り過ぎてしまうような気がするけど、この流れで見たからか逆に新鮮。良かった。

ただちょっと、ボーカルが平坦な感じがして、引き込まれそうで引き込まれない。惜しい。でも「下っ端のロボットのくせに」という印象的なフレーズを繰り返す曲*1は凄く良くて、その曲に関してはボーカルが上手くハマっていたかなあ。

箱庭の室内楽

三者三様の素晴らしいライブの後に、主催者の箱庭。ゲストの3バンドに引けを取らないライブだった、と思うんだけど、その3バンドと比べてみると「これは!」という強みが余り見えないライブだった気もする。曲はいいし、その曲を印象強くする変拍子も健在。なんだけど、そこから先に一歩踏み出す、何かグッと惹き付けられるものが足りない。求心力っつーのかな。

その淡々とした感じが持ち味といえばそうなんだろうけど。何か一個、キラーチューンがあればなあ…なんて思っていたら本編最後の曲「deadwinter」が正にそれで、正直ビックリした。「おお、こういう曲もあるんだ!」と。だがしかし、その曲は前身バンドbolbots時代の曲だった、というのがまた複雑な気分になるところ。今回のシングルで再録してるんだけどね。こういう曲がもっと増えるといいなあ。

*1:恐らく「one note robot」という曲