チャットモンチー@渋谷CLUB QUATTRO

アルバム『耳鳴り』発売3日前、という微妙なタイミングでのワンマンライブ。そのアルバムの曲を中心としたセットリストなので、もちろん客もノリきれずに微妙な盛り上がり。演奏も若干精彩を欠いたように見えた。そんな訳で、ここまでイベントライブで何度か見る度に感じた「うっわ、すげえなこのバンド」という類の迫力は無かったように思える。

ただ、アルバムへの期待度は否応無しに高まったし(何しろどれもこれも全て曲がいい)、これだけ注目が集まった中で空気を全く読まない(笑)選曲が出来るというのは、やっぱりふてぶてしいよなあ、と贔屓の引き倒し的な賛辞を送ってみるのであった。アルバムリリース後のツアーはかなり本数が多いし、ファイナルのリキッドルーム2daysの頃には見違えるようなバンドになっていることでしょう。

本編最後の「ひとりだけ」の轟音ギターを聴きながら、ふとスーパーカーの初ワンマンのことを思い出した。場所は同じクアトロ。曲は「TRIP SKY」。「ひとりだけ」と同じくファーストアルバムの最後の曲だ。その時ギターを掻き鳴らしていたジュンジが今、チャットモンチーをプロデュースしている。歴史は繰り返される、もしくは輪廻転生。そんなことを思った。


それにしても客層がハッキリしてきたなあ。普段ライブハウスで見かけない雰囲気の方々が多数。はっきり言ってしまえばA-BOY。イベントライブの時は対バンの客も居るから、そこまで目立たないけどワンマンになると凄いな、これ。

あと、ボーカル橋本のMCが「天然でかわいい」と評判のようだけど、あれはもう天然を越えて「やっぱり天才ってどこかアレだよな…」と言いたくなるレベルだった。紙一重でアレな人だと思う。楽屋に戻った瞬間、フロアの客に対して悪態をつきまくっていてもおかしくない、むしろそうであってほしい、くらいの何かドス黒いものが隠れているような気がしてならない。というかそうであってほしい。つまり完全に妄想かもしれない。俺の。